第34話〜feat. AMY KAGAMI #4 [心理×決意×成就]〜 |
――眼前に、奥行きの感じられない虚無が広がっていた。自分という存在がここに存在しているのかも曖昧な、実体感のない空間。
ただ、ある一点だけはスポットライトのような光源で照らされていて、ここが空間であるということを認識させる。光源で照らされた場所に見える、椅子に座った一人の女性の姿。
でも、その女性が誰であるのかは認識することが出来なかった。何故女性と認識することが出来ているのかすらわからないほど、その対象は極めてぼやけた印象しか俺に与えてくれていない。
椅子に座っている女性は、ただ呆然と顔をうつむかせているようだった。自らの存在を認識させるような表情の変化を見せるわけでもなく、何か言葉を発すわけでもなく。
しかし、俺がその女性を識別しようとしていると、突然女性の周囲に新たな光源が発生しだした。一つ発生するごとに、その位置に新たな人影が生まれていく。
俺はその光源の正確な数を認識することが出来ずにいた。やはりぼやけた印象しか与えてくれず、複数という曖昧な単語でしか表現できない。
――だが、最初に現れた女性とは違い、新たな人影たちは自らの存在を主張しだす。女性を中心に円を描くように現れた人影たちは、中心の女性に向けて言葉を放ったんだ。
「――どうしてあなたはいつもそうなの!」
「――お前、わざとあんなことしたのかよ!?」
「――あんなことされて喜ぶ人なんて、いるわけないじゃない!!」
「――はっきり言って迷惑なの。自分がしたことちゃんとわかってる?」
「――お願い、もうどっか行って。私の前からいなくなって!」
自分に向けられているものではないとわかっていても、思わず耳を塞ぎたくなってしまうような鋭い言葉たちが、中心にいる女性へ問答無用に向けられる。言葉に実体など存在しない。当然そんなことはわかっているけど、今この場においては、その常識的な認識が当てはまることは無かった。
放出された言葉は、瞬く間に鋭利な刃物となって中心の女性を突き刺していた。けして、中心の女性に外傷が与えられるわけではない。――だが、確実に女性は傷ついていく。
……俺には見えたんだ。女性の『核』を覆うつぎはぎの殻が、鋭利な刃物によって見る見るうちに剥がされていく様が。
集中攻撃を受け続けている中心の女性は、何を言い返すわけでもなく、ただ椅子に座ってうつむいたまま。印象は相変わらずぼやけたままだったけど、何故かそのとき俺にはその女性がどこか自嘲めいた表情を見せているように感じられた。
――集中攻撃を受け止めきることなど出来ないことを理解しつつ、それでもそうするしかないと諦めているような姿を。
* * * * *
――気が付くと、眼前に見えたのは虚無の世界などではなく、生命力を感じることの出来る感情のある人の顔だった。徐々にまぶたを開いていくと、対象を捉えるピントのずれが無くなっていく。
そうだ、俺……また気絶しちまったんだ……。
完全に目を開くと、その対象を完全に認識することに成功した。空色を背景に浮かび上がるその対象は、見紛うことなく森野さんの顔そのものだ。
「あ、気付いた? ……大丈夫? いきなり倒れちゃったから心配したんだよ?」
その信憑性を見せ付けるかのような表情で、俺に言葉を投げかける森野さん。……でも、現状を完全に認識した俺に、ゆっくりとその言葉に応対する余裕などは無かった。
森野さんの背景に見える空色に、後頭部に感じる温もり。……導き出された答えに、誤りは無いだろう。今俺は、間違いなく森野さんに膝枕されている。
間髪いれずに、俺は森野さんの膝枕から脱出すべく身体に力を込める。意識を取り戻してすぐにこれじゃあ、またすぐに気絶しかねない。……そんなことは絶対に避けたい。
だが、そんな俺の気持ちなど知る由もないであろう森野さんは、真剣な表情で手を俺の額に乗せ、俺が身体を起こそうとする動作に待ったをかける。
「ダメだよすぐに動いちゃ! 少し休んだほうがいいよ」
「い、いや……もう大丈夫だからさ」
俺は森野さんを説得しにかかる……が、どうやら無駄な足掻きになりそうだ。
「ダメだって! 病人は病人らしく、おとなしくしてて……ね♪」
お願いだから……そんな嬉しそうな表情で残酷な言葉を向けないでくれよ。
思わずそう嘆きたくなったけど、流石にそんな嘆き方をするわけにはいかない。『残酷』だなんて言葉をつかったりしたら、変に勘繰られる可能性だってある。きっと、普通の男にとってみれば喜ぶべき状況なんだろうし。
……とにかく、何とかこの状況を打開する行動を起こさなければ。
「お、おとなしくはするからさ。……ほ、ほら、別に森野さんに膝枕してもらわなくたって、おとなしくすることは出来るだろ?」
少し苦し紛れな感じもしたけど、何とかひねり出した弁解の言葉。……しかし、言葉を放った直後に見せられた森野さんの表情に、俺は思いっきり焦りを覚えてしまう。
――俺の言葉を聞いた森野さんは、軽く頬を膨らませてふてくされたような表情を見せてきたんだ。
「も、森野さん?」
俺が慌てて声をかけると、森野さんは口を尖らせながら呟きだした。
「だって橘君……私が見てる前でエイミーに抱きついたりキスしたりしちゃってさっ。私の気持ち知ってるくせに……」
「え、あ…その……あれは――」
「――『エイミーが勝手にやったこと』……って言うんでしょ? それはわかるよ。でも……エイミーばっかりズルいじゃない。私だって、抱きつきたいしキスだって…したいのに……」
次第に瞳を潤ませているように見える森野さんの表情に、俺はとてつもない危機感を覚える。この状況はマズい。もしかしたら森野さんはこのまま……。
――想像するだけで、顔が急激に火照ってくる。
「ま、待って! ホントにあれはエイミーが勝手に考えた作戦で、俺が自ら望んでやったわけじゃなくて……」
「……それはそうなんだろうけどさっ。でも、抱き合ってキスしたのは間違いないでしょ? だから――」
――――ゴクッ。
生唾を飲み込む音が、現状をハッキリと認識させて俺の思考能力を著しく低下させる。
ヤバい。これはヤバい! 森野さんは考えを改めるようには思えないし、俺も下手に動けないじゃないか!
危険信号はこれでもかというほど察知できていたけど、結局俺は、ただただ『最悪の事態』が渦巻く頭に冷や汗を浮かべることしか出来なかった――けど、
「だから、せめて膝枕くらいさせてくれたって、バチあたったりしないでしょ?」
「ひ、膝枕……ね。……そうだな、それで誤解を解いてくれるなら……」
どうやら、俺が勝手に想像していた『最悪の事態』は免れることが出来そうだ。女性恐怖症の俺にとっては、膝枕だって十分にツラいことではあるけど、それだけですむならまだマシだ。
森野さんは俺の言葉を聞くと、ようやく表情を微笑みに戻してくれた。俺が観念したと察したんだろう、額に添えられた手もゆっくりと離れていく。
…………ハァ。
心の中で、重いため息をつく。こんな状況下だから身体中に気だるさを感じてしまうけど、不幸中の幸い、森野さんへの対応で意識を集中していたおかげか、暫くは気を失わずに済みそうだ。
気を抜くわけにはいかないけど、とりあえず一つ山を越えたことで多少の落ち着きを取り戻した俺は、森野さんの手から解放された頭を横に向け、現在地の確認にかかる。
すると、視線の先に見覚えのある彫刻のアート作品が。……どうやら、ココは俊哉さんと奈央さんが落ち合った、あの花畑のあるスペースみたいだ……ん? そういえば……。
「……そういえば、他の皆は?」
俺は、俊哉さんと奈央さん、それにエイミーの存在を視認していないことに気付き、視線を再び森野さんに向けて尋ねる。
「あ、うん、その……」
すると、何故か俺の質問に答えようとする森野さんの表情が暗いものになっていった。そして、ゆっくりと視線を右に向けていく。
俺はその表情の変化に疑問を感じながらも、森野さんの視線を追うように顔を傾ける。
――すると、そこには俺と森野さんが陣取っているベンチとは別のベンチに顔をうつむかせながら座るエイミーの姿があった。
何だか、どこかで見たことのあるような光景。……いや、おかしい。そんなことあるわけがない。だって……エイミーだぞ。あのエイミーが……こんなにも意気消沈して呆然としている姿なんて、見たことがあるハズがない。
「何が……あったんだ?」
驚きを隠すことなくそう呟いていた。俺にとって、あまりにも非現実的な光景。これを見て驚かないでいられるわけがない。
俺が放った音声はエイミーのもとにも届いているハズだけど、エイミーが返答をしてくれる様子は伺えない。それどころか、届いてはいても耳には入っていないのか、何の反応も示すことが無かった。
だが、エイミーのもとまで届く程度の音声は、間違いなく森野さんのもとにも届いているわけで、俺の言葉を感知した森野さんが静かにことの成り行きを説明し始めてくれる。
「実はね――」
――心なしか、森野さんの言葉からは『苦しみ』のようなものが感じ取れていた。
* * * * *
橘君が倒れちゃってすぐ、私も橘君のところに急いで駆け寄ったの。突然倒れちゃったから、きっとまた貧血起こしちゃったんだって思って。
私はすぐに橘君の容態を診ようって思ってたんだけど、着いたら何か奈央ちゃんの様子がおかしくて。
エイミーが『降参』って感じのポーズを見せてたから、きっと作戦がバレちゃったから怒ってるんだなって思った。でも……怒ってたのは間違いなかったみたいなんだけど、そんなに簡単なものじゃなかったみたい。
「愛まで……。皆して変な計画企ててたんだ……」
奈央ちゃんの言葉に、誰も返事をすることなんて出来なかった。だって、奈央ちゃんが言ってるとおりだったから。私もエイミーも俊哉君も、ただ黙ってることしかできなかった。
「エイミーちゃん、いくらなんでもこれはヒドいんじゃない? あなた私の何なわけ? いつこんなことしてって頼んだ?」
「え、あ…あの……エイミーはただ、Naoさんのためにって思って……」
「おい奈央…ちょっと言いすぎだぞ。加賀見さんだって、別に悪気があってやったんじゃ――」
「――俊哉も俊哉よ! ヒドいじゃない! 俊哉はエイミーちゃんの『作戦』どおりに動いてただけなんでしょ? 私の気持ちを踏みにじって、そんなに楽しかった!?」
「違う! 俺はそんなつもりじゃ――」
「何が違うのよ!? そうよ……今思えば、俊哉があんな行動みせることなんて、今まで全然なかったじゃない。私のことなんてただのバンド仲間としか思ってなかったくせに、突然あんな態度とって。……ホント、ヒドいじゃない」
「奈央……違うんだ、ホントに俺はそんな――」
「――もういい! 言い訳なんて聞きたくないわよ!!」
「Naoさん、Toshiさんが悪いんじゃなくて――」
「――もうやめて。エイミーちゃん……はっきり言って迷惑なの。……もう、私の前に現れないでよ」
奈央ちゃんの言葉を聞いたエイミーは、もう何かしっかり立っていられないような状態だった。ガクガク足を震わせて、ただただ放心して立ち尽くしてた。
「奈央っ!」
俊哉君が奈央ちゃんの肩を掴みながらそう言ってたけど、奈央ちゃんは俊哉君の手を振り払って走ってどこかに行っちゃった。
「おぃ待てって! ――愛! 加賀見さんと翔羽君を頼む! 俺は奈央を追うから!!」
「え、あ……うん」
あまりの出来事に、私はただ呆然とそう言って頷くことしか出来なかった。必死な形相の俊哉君にも、放心状態のエイミーにも、何にも言ってあげられなかったの……。
* * * * *
「……そんなことがあったのか」
呟きながら、改めてエイミーの様子を伺う。その表情は相変わらずのものだったけど、森野さんの話を聞いた分、余計に痛切な印象を受けてしまう。また、何故かその姿に既視感を覚える。
エイミーが奈央さんのためを思ってあの計画を企画したのは間違いないのだろう。……でも、奈央さんにとってみれば、それは『大きなお世話』ってやつなわけで。
奈央さんが怒るのも無理はない。……けど、ちょっと言いすぎな気もする。ただ……それくらい、奈央さんにとってはショックなことだったんだろう。計画云々より、『俊哉さんの行動が偽りのものだった』ということが。
――――俺も共犯だよな。
理由は何にせよ、エイミーと共に計画の遂行に取り組んだのは事実。奈央さんにとってみれば、エイミーも森野さんも俺も、同じレベルの犯罪者なはず。
……とにかく、このままで良いはずがない。このままだと、奈央さんとの関係がグシャグシャになってしまう。それに、bonheur存続の危機でもあるだろう。こんな状態のままで、俊哉さんと奈央さんと森野さんのユニットが成立するはずがない。何とかして、この最悪の状況を打開しなければ。
俺は意思を固めると、ゆっくりと身体を起こす動作に移る。すぐに森野さんが再び動きを制しようとしてきたけど、
「ホントにもう大丈夫だから。……ちょっとエイミーと話したいし」
俺が真剣な表情でそう言うと、意思が通じたのか沈痛な面持ちを見せながらも抑止の動作を解いてくれた。
ゆっくりと立ち上がり、隣のベンチに座るエイミーのもとへ。
エイミーの目の前にたどり着くと、エイミーは俺の存在に気付いたのか、ゆっくりと虚ろな視線を俺に向けてきた。そして、その表情を自嘲めいたものへと移し変える。
「……ゴメンねショウ。エイミーのせいで、ショウにまで嫌な思いさせちゃった」
『何を今更』なんて思いながらも、当然そんなことは言葉にすることなく、俺は放つべき言葉を模索する。
「過ぎたことはもう仕方ないよ。……それに、エイミーだって奈央さんのためを思ってやったことだったんだろ?」
「うん……そう…なんだけどね。……そうなんだけど、何で――」
言いながら、エイミーは再び顔をうつむかせていた。そして、その声がかすれたものになっていく。
「――何で、こうなちゃうんだろう。エイミー、本当にNaoさんのために頑張ってたんだよ? NaoさんとToshiさんがハッピーになれればいいなって思って、頑張ってたんだよ? でも……Naoさんにとっては違った。Naoさんには迷惑だったんだって。もう、『私の前に現れないで』って。……ねぇショウ、どうして? どうしてこんなことになっちゃったの? ……やだよ。せっかく仲良くなれたのに……ショウにもToshiさんにもマナちゃんにも迷惑かけちゃって。……どうしよう…どうしようショウ! このままじゃ、みんな仲悪いままになっちゃう! bonheurだって止めちゃうかも……。どうしよう…何でこんなことしちゃったんだろ。こんな風になっちゃうなんて――」
汚物を吐き出すかのごとく、言葉を放ち続けるエイミー。その姿を、俺は見続けることができなかった。――あまりにも……あまりにもその姿が悲哀に満ちていて。
……でも、エイミーをこんな姿のままにさせるわけにはいかない。こんなエイミーの姿、誰もみたいとは思わないはず。もちろん、俺だって。いつもみたいに明るく活発で、誰からも好かれるエイミーでいてほしい。
「エイミー……とりあえず落ち着いて」
「だって、Naoさんの怒り方普通じゃなかった! あんなNaoさん見たことない――」
「――エイミー!」
尚もうつむきながら言葉を吐き続けるエイミーの両肩に手を乗せて、俺は思いっきり叫んでいた。突然の叫び声に、エイミーは驚きすくみながらも顔を上げる。
エイミーの瞳に光っていたものが、瞬時の動きで飛び散っていた。
「しっかりしろって! うつむいてたって何の解決にもならないよ。……確かに、俺たちがしたことは奈央さんのことを傷つけたかもしれない。……自分にとっては大したことじゃなくても、その人にとっては辛いことってあるんだよな。俺、前にそういうような言葉をかけて友達を苦しめちゃったことがあってさ。最初は何でその友達が怒ってるのか、全く意味がわからなかった。でも、別の友達の話を聞いて、その理由がなんとなくわかったんだ。そしたら、途端に不安になっちゃって」
「……………」
「……でもな、その後必死になって謝ったら、ちゃんとその友達は許してくれたんだよ。俺の気持ちがちゃんと伝わってくれたんだよ」
「でも――」
「――結果がどうなるかはわからない。でもさ、絶対に今のエイミーの気持ちは奈央さんに伝えなきゃダメだって。俺だって、ちゃんと奈央さんに謝りたいしさ。きっと奈央さんだって、ちゃんと気持ちを伝えれば許してくれるよ! きっと大丈夫だから! ……なっ!!」
……俺は何とかしてエイミーを立ち直らせようと必死だった。きっと……あの時由紀が俺のことを許してくれたように、奈央さんもちゃんと誠意を込めて謝れば許してくれるはずだ。
「ショウ……。そう……かなぁ」
「あぁ、大丈夫だって。……とにかく、みんなでちゃんと謝りに行こうぜ」
「…………うん」
エイミーはそう呟きながら自ら立ち上がってくれて、俺に小さな安堵感を与えてくれた。それが『エイミーに行動する意思がある』ということを認識させる材料となり得たから。
とにかく、『奈央さんに謝る』という行動方針は決まった。……けど、考えてみたら今奈央さんがどこにいるのかなんて、ここにいる三人には知る由も無いわけで。
ふと、森野さんの方を向く。すると、森野さんは携帯電話に耳を傾けていた……が、すぐにその携帯電話は閉じられる。
「……駄目、奈央ちゃんにも俊哉君にも繋がらない」
どうやら俺とエイミーの会話を聞いて、二人の居場所を突き止めようとしてくれていたようだ。
「そっか。困ったな……あっ、そうだ! 俊哉さんの声は聞けるじゃん! 俊哉さんは奈央さんを追いかけてるはずだから、もしかしたら居場所がわかるかもしれないんじゃないか!?」
そう、俊哉さんの服には発信機が取り付けられてる。だから、俊哉さんの声は聞くことができるんだ。
俺の言葉で、三人そろってイヤホンを着用。……すると、何だかよくわからない雑音に混じって、俊哉さんの声が聞こえてきた。
「ハァ…ハァ…ハァ……おい奈央止まれって! おい、聞こえてるんだろ! ……ったく! 何でこんなにすばしっこいんだよあいつは!? ……クソっ! ……ハァ…ハァ………神社? ……よし! …………奈央待てって! ……クッ、何だよこの長い階段は!? ……このっ!!」
「エイミー! ここら辺にある神社って、場所わかるか!?」
俺は俊哉さんの言葉に含まれていた『神社』という単語を拾い上げ、すばやくエイミーに問う。あの計画のために辰巳庵周辺の情報を集めていたはずだから、もしかしたらエイミーならわかるんじゃないかって思ったんだ。
すると、俺の読みは当たったようで、エイミーは目をこすりながら小走りに自然公園の出入り口へと向かっていく。
「ここら辺で神社っていったら一つしかないはずだよ! ……そんなにここから遠くないはず。……ついてきて!」
まだどこかぎこちなさは感じられるけど、それなりに機敏な動きを見せるエイミーに安心しながら、俺は森野さんに向かって軽く首肯する。そして、応じるように首肯してくれた森野さんと共に、先を進むエイミーの後を追っていった。
――とにかく、何とか気持ちが切れる前に奈央さんのもとにたどり着かないと!!
エイミーの後を追い神社を目指している間にも、俺の耳にはしっかりと俊哉さんの声が届いていた。聞こえてくる声から察するに、俊哉さんと奈央さんは例の神社の敷地内で鬼ごっこを展開しているようだ。
……しかし、俊哉さんが奈央さんを追い詰めている様子。どうやら俺たちは目的地を変更せずに済みそうだ。
暫く走り続けると、視線の先に大きな鳥居が見えてきた。――きっとあそこが目的地だろう。
エイミーと森野さんのペースに合わせて走っているからか、それほど疲れを感じることは無かった。とりあえず、もうすぐ走らなくて済むようになりそうだし――と、思ったのもつかの間、
「……何だこの長ぇ階段は!?」
思わずそんな言葉を漏らしてしまうほど、目の前に現れた階段は長いものだった。
――これからこの長い階段に挑もうとする俺たちの耳に、俊哉さんの声だけではなく、奈央さんの声が混じり始めていた。
* * * * *
「奈央! ……ハァ…ハァ……こっちはもう追い詰めてるんだよ。……ココの入り口が一つしかないこと、気付いてるんだろ? もういい加減鬼ごっこはやめよう……ぜっ!」
俊哉さんの渾身の声。その直後、何かが倒れるような音が耳に響く。
すると、かすかにしか聞こえていなかった奈央さんの声が、より鮮明に聞こえるように。
「イヤっ! やめてっ! 離してったら!!」
「いいから聞けっ! ……いいか、お前は一つ重大な誤解をしてる」
「イヤっ! 聞きたくない!!」
「聞いてくれっ!」
「……………」
「――確かに、俺があの自然公園にいたのは加賀見さんのよくわからない計画があったからだ」
「……やっぱり……そう…なんじゃない」
――奈央さんの声に、嗚咽が混じりだす。
「隠さないでちゃんと俺を見ろ! ……でもな、その後のことはそのよくわからない計画とは全く無関係だ。別に行動の手順があったわけでもないし、台詞が仕込まれてたわけでもないんだよ!!」
「…………えっ?」
「多分、加賀見さんと翔羽君が変な演技をしてたのは作戦だったんだろうけど、俺はただ自然公園のあの場所まで愛に連れてこられただけで、そのあと『どうしろこうしろ』なんて言われてないんだよ」
「俊哉……」
「だから、その……あの橋の上で言ったことは、全部俺の本心で言ったことだから」
「……………」
「……………」
「ごめんなさい。私……勝手に暴走しちゃって……」
「……わかってくれたなら、それでいいよ」
「でも……そうなんだ。そんな風に……思ってくれてたんだ……」
「はは、まぁ……な」
「ふふふ」
「な、何だよ。何かおかしいか?」
「ごめんごめん。別にそういうわけじゃなくて……ありがとね俊哉」
「何だよ急に……ま、とりあえず『どういたしまして』って言っとけばいいか?」
「……うん」
「……あ、愛と翔羽君と加賀見さんのことだけど、あいつらも本当に悪気があってやったわけじゃないみたいだから、許してやってくれよ。まぁ、俺自身あの良くわからない計画の目的自体、よくわかってないんだけどな」
「え、そうだったの? 目的も知らずに計画に付き合わされたわけ?」
「まぁ……ちょっとわけありで…な」
「ん? ……ま、いいけど。……とりあえず、エイミーちゃんたちのことは許してあげることにするわ。私もちょっとエイミーちゃんに言い過ぎちゃったしね」
「そうか……良かった」
「…………ハァ、何か力を抜いたらドッと疲れが出てきた気がするわ。……とりあえず、戻って温泉にでも入りましょうかね」
「そうするか。あ、でもあそこの温泉混浴だから、入るときには気をつけたほうがいいぞ」
「あら、混浴じゃない温泉もあるって聞いてるけど? っていうか、午前中だけ温泉の仕切りをなくして混浴にしてるって」
「そ、そうなのか? ……は、はは」
「……どうしたの?」
「あ、いや、何でもない」
「そう? ……じゃあ…行こっか」
「そうだな……あ、ちょっと待て」
「……ん、どうしたの? いい加減この体勢もつらいんだけど」
「――ちょっと……一つ、言い忘れてることがあってな」
* * * * *
「……ハァ、ハァ……長すぎだっての……この階段」
俊哉さんと奈央さんの会話を聞きながら、俺は何とかこの地獄の階段を上りきっていた。背後を振り返ると、エイミーと森野さんもあと数段で到着というところまで来ている。
呼吸を整えながら、周囲を見渡す。……俊哉さんと奈央さんの姿は見当たらない。
「……ハァ…ハァ……ハァ…Naoさんたち……いた?」
少し遅れてエイミーが無事到着。俺が首を横に振ると、両手を両膝に添えて息を整え始める。
「……ハァ〜、ハァ、ハァ……あれ……いないの?」
さらに数秒後、森野さんも到着。荒れた呼吸のまま自ら周囲を見渡し、存在の確認をしている。
「……とりあえず、奥の方に行ってみよう。ココにいるのは間違いないはずだから」
俺の言葉に、エイミーと森野さんはそろって頷く。軽く呼吸を整えてから、俺たちは神社の奥の方へと進み始めた。
階段を上りきってすぐ目の前に一つ小さめのお堂があったけど、どうやらその奥にはもう一つのお堂――本堂が存在するらしい。……そのことを認識させる立て札が、小さめのお堂の両隣にある石畳の道の脇に立てられていた。
立て札に貼られている参拝図を見る限り、その本堂がこの神社の終着点らしい。……ということは、俊哉さんと奈央さんがココにいるということが間違いでなければ、二人はこの先にいるはずだ。
あの地獄の階段を上りきってすぐだからか、俺の足はもう棒のような状態になっていた。エイミーと森野さんも同じ様子で、俺たちはゆっくりと石畳の道を進むことに。
……それにしても、いくら周囲を見回しても人の姿が見えない。たまたま人がいないときに来ただけなのか? ……まぁ、そんなことはどうでもいいことだけど。
暫く進むと、眼前に本堂と思しき建物が姿を現した。本堂というだけあって、さっきの小さめなお堂より何倍もの大きさを誇っている。
『……言い忘れてること? ……何?』
ふと、耳からしか聞こえないはずの奈央さんの声が、二重に聞こえてきた。階段を上っている間から聞こえていたクリアな音声と、若干遅れて聞こえてくる同内容の声。
本堂に向けていた視線を右往左往させ、辺りの様子を伺う。すると、本堂に上がるためにある階段の手前――玉砂利が敷き詰められている場所に、その声の発生源を発見することができた。
――間違いなく、俊哉さんと奈央さんだ。……何故か、二人とも倒れこんだような体勢になっているけど。
振り返ると、どうやらエイミーと森野さんも二人の存在を確認した様子。森野さんは、振り返った俺とエイミーに向かって右手の人差し指を口元に添えるポーズを見せていた。静かに……ということか。
その行動の意図はよくわからいけど、とりあえず従ってなるべく音を立てないように俊哉さんと奈央さんのもとへと近づいていく。……とりあえず、もうイヤホンははずしても良さそうだ。
二人の言葉をしっかりと聞き取ることができるくらいに、俺たちはその距離を縮めていた。二人が俺たちのことに気付かないことに疑問を感じてもおかしくないくらいの距離感。
俺は更に歩みを進めようとしたけど、今度はエイミーのその動きを止められた。さっきの森野さんと同じポーズを見せながら。……静かにしてココで二人の様子を見よう……ということなんだろう。
二人で何か話してるみたいだし、声をかけるのは話が終わってからでも別にいいかと思った俺は、とりあえずその指示に従うことに。
二人の姿をしっかりと視認しながら、俺は会話に耳を傾けた。
* * * * *
「………俺さ、正直もう今のままの状態を続ける自信が無いんだ」
真剣な表情を見せながら、一言一言選ぶように言葉を放つ俊哉さん。けど、その意図が上手く伝わっていないようで、奈央さんは表情に疑問符を浮かべている。
「何? ……どういうこと?」
「だから、その……お前を『友達』とか『バンド仲間』とかって思いたくないんだよ」
「……………」
振り絞るように言葉を放った俊哉さんに対し、奈央さんが返答することはなかった。一度目を見開く素振りを見せた後、そっと瞳を閉じている。
俊哉さんは奈央さんのその様子を見ると、意を決したかのように今までに増して真剣な面持ちに。
――――そして、決意の言葉は紡がれる。
「奈央……俺と、付き合ってくれ。『友達』としてでも『バンド仲間』としてでもなく、『恋人』として」
数秒の間、この神社の一角は沈黙の空間と化していた。だが、奈央さんの口元が緩んだのを確認してすぐ、沈黙の空間は消滅する。
「――――願い事……もう一つくらい叶えてあげてもいいって、神様は言ってるみたいよ」
瞳を閉じたままの奈央さんは、穏やかな表情を浮かべてそう告げていた。お告げを受けた俊哉さんは、そっと微笑む。
――――そして、俊哉さんは視線の先にある穏やかな微笑を静かに覆った。
* * * * *
「――おめでとう。俊哉君、奈央ちゃん」
背後から聞こえてきた突然の声に、俺はビックリして喉を詰まらせていた。眼前の光景を、自分のことではないのにも関わらずドキドキしながら見ていた俺にとって、その突然の声は心臓麻痺を起こしてしまうんじゃないかと思ってしまうほどの衝撃を与える事象だ。
……でも、同じレベルかどうかはわからないけど、ビックリしたのは俺だけではないようで。
「ま、愛!?」
「翔羽君とエイミーちゃんまで……。い、いつからそこにいたの?」
俊哉さんと奈央さんが、示し合わせたかのように瞬時に飛び上がっていた。衣服をはたきながら、驚きの表情を見せつつ言葉を放っている。
「俊哉君の告白シーンがスタートしたときくらいからかな〜」
森野さんの言葉に、珍しく俊哉さんが赤面する。その姿に、奈央さんはそっと笑みを浮かべた。
「良かったね、奈央ちゃん!」
そんな奈央さんの表情をみて、森野さんも満面の笑みを浮かべている。
いやぁ、一時はどうなるかと思ったけど、結果的に上手くいったみたいで良かった良かった!
俺も自然と笑みを浮かべて、二人に対する祝辞の言葉を模索し始める。――けど、ふと視線をずらした先に映ったエイミーの姿を見て、俺はすぐにその模索作業を取りやめた。
――エイミーは視線を奈央さんに向けながらも、ものすごく不安そうな表情を見せていたんだ。
……そうだよ。まだ、完全に全てが丸く収まったわけじゃないじゃねぇか。『エイミーの気持ちは奈央さんに伝えなきゃダメだ』って言ったのは俺自身だろ!?
浮かれかけていた自分が、ものすごく情けなく思える。それに、これはエイミーだけの問題ではない。俺と森野さんの問題でもあるんだから。
俺は満面の笑みを浮かべている森野さんの肩をちょんと叩く。また、エイミーには少し強めに同じ動作を。
……奈央さんが俺たちのことを許してくれるつもりでいるということは、すでに俊哉さんに付けられた発信機からの情報によってわかっている。でも、たとえわかっていたとしても、ちゃんと自分自身の言葉で伝えなきゃいけないんだ。
俺の行動の意図がきちんと通じたのか、森野さんは表情を引き締め、エイミーは奈央さんに向かって一歩前進した。――そして、エイミーはゆっくりと確かめるように話し出した。
「……あ、あの……Naoさん。……本当にごめんなさい! もう、こんなこと絶対にしませんから、だから……だから、お願いです! 許してください! 『私の前に現れないで』なんて言わないで! せっかく仲良くなれたのに……もう絶対にあんなことしないですから……許してください……」
痛々しい。……エイミーはそんな言葉が一番良く合っているような表情を見せて、嗚咽交じりに幼い子供のようにボロボロと涙を流していた。
エイミーにとって、奈央さんの存在がどの程度のものなのかはわからない。ただ、相手が奈央さんだからなのかどうかは定かじゃないけど、少なくとも人目もはばからずに泣きじゃくるほどに辛い出来事だったということは確かだろう。
奈央さんはそんなエイミーの前まで移動すると、そっとエイミーを優しく抱き寄せた。次第に聞こえていた嗚咽が治まりだし、やがて完全に止んだ。
エイミーが落ち着きだしたのを確認すると、奈央さんは抱き寄せる体勢は変えぬまま、エイミーの耳元に向けて囁いた。
「エイミーちゃん……神様、今日は随分と気前が良いみたい。――出血大サービスで願い事、もう一つ叶えてくれるみたいよ」
そのお告げは魔法だった。エイミーの天候を著しく変化させる魔法。エイミーの表情は、大雨のち晴れのち天気雨。
――――小さな空に、鮮やかな虹が顔をだしていた。
* * * * *
「諸君、連休一日目を存分に満喫したかい? 今日は移動時間もあったから疲れも溜まっているだろう。諸君らの前に並ぶこの豪華な食事で、その疲れを存分に癒してくれたまえ! 何を隠そうこの食事は――」
「はいはい、何だか誠人君の話は長くなりそうだから私がやっちゃいますね。――それじゃ、乾杯!」
『かんぱ〜い!!』
誠人のいつになったら終わるのかしれたもんじゃない乾杯の音頭を制するというナイスプレーを見せてくれた早苗さんの音頭で、連休一日目の夕食会はスタートした。
皆、思い思いにテーブルに並ぶ料理に手をつけては、会話に花を咲かせている。
俺は左隣に座っているエイミーと、その隣に座っている奈央さんの姿をみて、改めて安堵感をかみ締めていた。
一時はどうなることかと思ったけど、今はこうして普通に談笑してくれている。もう、問題はないだろう。
「ねぇエイミーちゃん、後ろに置いてあるバッグってエイミーちゃんの?」
「うん、そうですよ。去年のバースデイにパパが買ってくれたんです」
「へ〜、それすっごくかわいいね。どこのブランド?」
「えっと……エイミーあまりブランドとかに興味ないからよくはわからないんですけど、確か『エリーヌ』っていうブランドだったと思います」
「エリーヌ!? すごいじゃない、エリーヌのバッグって結構高いはずよ。いいなぁ……ねぇ、もし良かったら中がどうなってるのか見せてもらってもいい?」
「あ、はい、いいですよ〜。ちょっと待ってくださいね」
エイミーは奈央さんのリクエストに答えようと、バッグを開いて中身を整理し始めていた。二人の会話が耳に届いたのか、周囲の女性陣がそろって集まってくる。
……ど〜でもい〜けど、あまり俺には近づかないでくれよな。
何てことを思いつつ、その様子を伺っていると――――
「――あれ、エイミーちゃん何、これ……写真? ――――って、何よこれ〜っ!?」
――突然、何かに驚いた奈央さんが大声を張り上げた。当然、周囲の人間の視線は集中する。
奈央さんはエイミーのバッグから出てきたものと思しき写真を握り締めると、奈央さんと向かい合う形で座っている俊哉さんに向けて、思いっきり差し出した。……ん? まてよ……エイミーが持ってる写真って……まさか!?
俺の脳裏にある一つの最悪なシナリオが浮かび上がったが、何とか気を確かに持って、俊哉さんに差し出された写真の確認にかかる。
…………や、やっぱりそれなのかよ。
俺は思わずその場でうな垂れた。奈央さんが俊哉さんに差し出した写真。それは紛れもなく、あの温泉で撮影された――俺と俊哉さん、そしてカツラで変装したエイミーが映っている写真そのものだったのだ。
「……俊哉、これはいったいど〜ゆ〜ことなのかしらぁ?」
奈央さんの有無を言わさぬような憎悪に満ちた声が聞こえてくる。……怖くて、奈央さんと俊哉さんの顔を見ることができない。
な、何かこの状況はものすごくマズい気がする……ここはひとまず、何とかしてこの場から脱出するべきか……
「ま、待て奈央……話せばわかる。だから少し落ち着いて……な」
「こんなの見て落ち着いていられますかってのっ!!」
い、いや、何としてでもこの場から脱出しなきゃならなそうだ。そう、何としてでも、絶対に――
「た〜ち〜ば〜な〜く〜〜ん!」
「は、はい〜っ!!」
――身の毛がよだつほどの戦慄を与える声が、俺の右隣から聞こえていた。俺の右隣に座る人物……それは、藤谷日奈子その人だ。更に言えば、この声ということは……日奈子の精神は極限状態に陥っている……ハズ。
恐る恐る顔を90度曲げてみると、そこには……想像通りの日奈子の姿が。
「これはいったいどういうことなの? ねぇ、答えてよ橘君。聞こえてるでしょ? 耳が悪いわけじゃないんだし」
身を切り裂くような冷徹な声で、そんな言葉が躊躇いもなく放たれる。
「あ、あの……これはその……海よりも深〜い理由が……」
両手を挙げて降参のポーズをして、大して意味を成さないであろう言葉をなんとか放ちながら、最後の頼みとばかりにエイミーに視線を向ける……が、エイミーは『ご愁傷様です』とばかりに両手を合わせているだけなわけで。
それでも俺が懇願するような視線でエイミーを見続けていると、エイミーはそっと近づいてきて俺の耳元で囁いてくる。
「ショウ、今日はありがとう。Naoさんと仲直りできたのはショウのおかげだね。ホントに、感謝してるよ。……今度、ショウにいっぱい『サービス』してあげるねっ♪」
「サービスって何だよサービスって!?」
「ふふ、そんなことレディに言わせちゃダ〜メっ♪」
「はぁ? な、何わけのわからないこと言ってんだよ!? それはともかく、この状況を何とかしてくれよ!」
「……ごめ〜ん、それはちょっとサービス対象外かな」
「エイミーっ!」
……結局、『最後の頼み』も無駄な足掻きだったってことで。
「俊哉っ! 黙ってないで何か言いなさいよ!!」
「橘君っ! いったいどういうことなのか、きっちり説明してよねっ!!」
――エ、エイミーのバカヤローっ!!
===あとがき=====
らぶ・ぱにっく第34話、どびゅ〜んっと公開です!(イミフメーw)
今回はかなり頑張りました。えぇ、頑張りましたとも。
今まで待たせてしまっている分を、何とか少しでも取り戻したかったので。
本話でエイミー編は終了となります。
エイミー編と言っときながら、結構『俊哉&奈央編』でもありましたよね(^^;
このエイミー編では、あまりエイミーの心理状況の説明になるような記述はあまり書かなかったと思います。
でも、その『ヒント』となり得る記述は、ところどころに盛り込んでいるつもりです。
『エイミー編っていうわりには、あまりエイミーのこと書いてないよなぁ』って思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、私としては、覚ってもらえるようにはしているつもりなんです。……これでも(^^;
エイミー編は終了しましたけど、翔羽たちの三連休はまだ終わってません。
そして、まだ『〜編』も残ってます。
……そう、風音編です。
ただ、正直このまま続けて風音編に移行するか、間にワンクッション入れるか迷っているのが現状。
まぁ何にしても、また楽しんでいただける内容になるよう、頑張らせていただきますです。
……というわけで、予定は未定な第35話を乞うご期待!
それでは、第35話のあとがきにて、またお会いしましょう!
2007/05/04 06:15
眠気で何書いてるか良くわからなくなりかけてる状態にて(爆)